
縁切り作業の工程は、外壁塗装工事の中でも特に重要なものです。
外壁塗装をする際、屋根全体に塗装を施すと、塗料が屋根と屋根の隙間をふさいでしまいます。
最近の住宅は、屋根材として伝統的な瓦ではなく、コロニアル屋根やカラーベスト屋根を使っているところが増えています。
瓦であれば、瓦を置くことですでに隙間ができますが、最近の屋根に使われている材料は防水のために隙間を作ってやる必要があります。
これが縁切りと呼ばれる作業です。
外壁塗装を施すことで隙間が全くなくなってしまうと、板と板の隙間がふさがったままになります。
屋根材がふさがったままならば、隙間がないのが雨漏りしなくていいのではないかと思うかもしれませんが、隙間が一切ないと、雨が降ったときに屋根を伝ってきた雨水の逃げ場がなくなるため、防水機能が働かず屋根材が腐食してしまうのです。
そうした事情で、縁切り工事は防水のために重要な工程と言えます。
外壁塗料によってふさがった板と板との隙間を確保する作業は手間がかかりますが、この手順を省くと後にトラブルが生じやすくなってしまうのです。
縁切りは、新築時にはほとんど必要ありません。
万が一のことを考えて縁切りをする業者もいますが、たいていの場合はメンテナンスとしての外壁塗装をするときに必要になってくる作業です。
縁切りにかかる工事費用は、30坪前後の一戸建ての場合、二人での作業が一般的ですから、作業に1日要すると考えて、だいたい5~6万円の費用相場と考えましょう。
防水のためには、ある程度の手間と待ち時間が必要になるので、この程度の費用はどうしてもかかってしまうのです。
外壁塗装をする際は、見積もり欄に縁切りに要する費用が加算されているかどうかを確認しておきましょう。
縁切りは外壁塗装には不可欠な作業なので、その作業工程が見積もりに含まれていない業者は、あまり信頼できないと思っていいでしょう。